失われた公演

ヨカセイカツ いっかいめ
『余暇生活』

公演団体

ヨカセイカツ

作・演出

アサノユウキ(絶食三平/SUANA)

宣伝美術

さのさくら

公演日程

2020年5月16日(土)~5月17日(日)※全公演中止・延期

会場

zakura

コメント

ヨカセイカツは、私たち夫婦の、自身の生活をより豊かにしたい、もっと楽しみたいという思いからできたユニットであり、生活そのものです。

その第一回公演は、ユニット名に込めた思いをそのまま反映して、生活であること・余暇を見つめることをテーマに『余暇生活』という名で、2019年8月から企画が動き始め2020年5月に行われる予定でした。

稽古を重ねるなか、中国で新型肺炎発生のニュース。あっという間に日本にも広まり、しかしこの頃はまだ、公演時期にはなんとかなっているのではないか、という楽観的な思いもありました。4月の緊急事態宣言下でも自宅で稽古を続けましたが、並行して協力者であるアサノ氏(SUANA)と今後の方針を何度も話し合いました。

私たちが稽古・公演を行うことは、夫婦二人の生活であり続行もできました。しかし、演劇はやはりお客様がいて初めて成り立つもので、協力してくださる方やそのご家族、観に来てくださる方々の生活を脅かしてはならない、ユニットに込めた思いと反することをしてはならないと延期を決めました。

演劇はお客様と対面であってこそだと考えています。最近は映像やオンラインでの公演も見られますが、お客様の息遣いまで含めての演劇でありたい。その思いから、我々は映像という選択肢を取っていません。

劇場やギャラリーでの公演実施を諦めたくありません。演劇に対する風当たりが強い様子も見られますが、演劇という体験の場を手放したくもありません。周囲の、演劇を愛するひとたちにも同じく諦めてほしくない。

私たちはお客様と我々が一体化するような、お客様が手を伸ばせば我々に簡単に触れられるような作品を作っています。客席と舞台の距離が十分にとれるような広い場ではなく、近い距離でお客様と対面したい。

そんな距離での公演実施が再びできるようになることを、そして演劇の火が今後も消えず続いていくことを願っています。

いとういちまつ・カトウユウキ(ヨカセイカツ)/2020年8月9日

資料提供

ヨカセイカツ

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