ラッパ屋 第46回公演
『コメンテーターズ』
公演団体
ラッパ屋
脚本・演出
鈴木 聡
宣伝美術
芹沢啓二、冨宇加淳(m9design)
公演日程
2020年4月22日(水)~4月29日(水)
会場
紀伊國屋ホール
コメント
「コメンテーターズ」はワイドショーをモチーフの一つにした芝居である。構想当初はそんな予定もなかったが、2月の執筆開始時にコロナ禍を話題に取り上げることに決めた。現実のワイドショーはその話題で持ち切りだったからだ。3月20日に稽古スタート。換気のためこまめに休憩を入れること、基本的にはマスクを着用することをルールとした。そのころから「緊急事態宣言」がいつ発出されるかをめぐって世間が慌ただしくなった。公演中止の可能性を検討し、美術発注の都合から4月6日を決定のデッドラインとした。
4月1日にファンの方からメールが来た。「高齢の家族がいることを考えると今年の公演には行けません」。同様のメールが2通来た。それまでは演劇人として、こんな時だからこそやる、という姿勢がかっこいいんじゃないかと半ば思っていたが、思い直した。観客との合意が一番大事だ。劇団それぞれの姿勢があっていいけれど、うちは観客が安心できるコンディションでなければやるべきでない。4月5日にZOOMミーティングで、キャスト・スタッフに公演の中止を僕と制作から正式に告げた。6日に劇場側と話し合い、「緊急事態宣言」が発出された7日にHPで発表した。
その後、コロナ禍が続いても作品発表の場を持ちたいと僕と劇団員は考え、劇団のPRも兼ねて8月、YouTubeに「ラッパ屋チャンネル」を開設した。また低予算での公演が可能なことから朗読劇に着目し、9月に1日だけのリーディング公演「距離と人間」を行い、初めてweb配信も試みた。
観客が100%安心して満杯の劇場で公演ができる日を待ち望んでいる。その日が来るまで、表現の方法や経済面や、あらゆることを工夫しながら創作と発表の道を探りたいと思っている。
鈴木 聡(ラッパ屋主宰)/2020年10月2日
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資料提供
ラッパ屋