文学座 4・5月アトリエの会
文学座アトリエ70周年記念公演
『熱海殺人事件』
公演団体
文学座
作
つかこうへい
演出
稲葉賀恵
宣伝美術
デザイン太陽と雲
公演日程
2020年4月28日(火)~5月10日(日)
会場
文学座アトリエ
延期公演
2021年9月に文学座アトリエの会として上演予定
コメント
2020年、世界が大きく変わり、自分の考え方も変わらざるを得なかったこの一年。作品を創作しながらも、こくこくと状況が変わっていく世の中のスピードに、自分自身バランスが取れなかったことを思い出します。
不謹慎かもしれませんが、この立ち止まる時間を私は、創作が止まってしまった時間ではなく、創作に対しての思いを熟成する時間として有意義な時間と捉えました。
そうやってもう一度あらゆる作品を読み直してみると、以前と全く違う世界が拓けていく感覚があります。そしてその一方で全く変わらない世界の摂理を書いているということにも気づかされます。
私たちはこういう風に大きな変化が起きた時、まるで初めてその変化を目の当たりにしたかのようにたじろぎ、逃げ惑い、混乱します。
しかし私たちはそもそもこの世界に生かされていて、当たり前ですが毎日この世界は、刻々と生まれ変わっては死にゆき、変化している。
あらゆる戯曲や小説や詩の言葉は、そうした摂理の中でもがき苦しみ、それでも生きていく人間たちの姿を事細かに記しています。
こうした言葉たちから、私たちは自分たちの姿を深く学ぶことができるということを、この期間に改めて感じました。
4月のあの日にストップした稽古場での時間を取り戻すというより、この時間を経てもう一度全く違った目で「熱海殺人事件」という本を真ん中に置いて考えてみようと思います。
稲葉賀恵(文学座 演出部)/2020年12月10日
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資料提供
文学座