失われた公演

B機関 第5回公演
『毛皮のマリー』

公演団体

B機関

寺山修司

演出

点滅

宣伝美術

点滅+matt’s work

公演日程

2020年4月22日(水)~4月27日(月)

会場

中野ザ・ポケット

コメント

B機関は2016年、私、舞踏家点滅によって結成された演劇ユニットです。主宰で演出でもある私が、長年携わってきた舞踏メソッドを演劇に取り入れることにより、新たな演劇の在り方を目指しています。また、舞台を総合芸術として捉え、演劇、舞踏、美術等ジャンルを越えた作品創りを特徴としています。

結成以来、年に一度、寺山修司の作品を東京都内の劇場で開催してきました。この四月にも第五回公演『毛皮のマリー』を上演予定でした。

周知の通り、コロナ感染拡大の影響を受ける状況となり、公演をどうするべきか出演者、スタッフ皆で何度も議論を重ねました。その結果、全ての状況を考えるに、今回の上演は断念し、延期の可能性にかけるしかないという結論に至りました。

私たちも稽古、準備を進める中、作品への手応え、愛着を感じていたこともあり、本年度の上演断念は残念でなりませんでした。まさに断腸の思いでした。中止と結論の出た話し合いでの皆の涙を見るにつけ、これは何としても延期公演は執り行わなければならないと思いました。

悩みながらも中止を発表した時に、お客様をはじめ周りの方々から思いの外多くの励ましの言葉をいただきました。年に一度のB機関の公演を楽しみにしていて、それがあるから日々頑張っていけるというお客様もいらっしゃいました。舞台に救われているのだと。それを聞いて、作り手の私たちの方がむしろ舞台に救われているということに気づきました。これはもう自分たちだけの問題ではないと思いました。

今回このような事態で、ひとついいことがあったとするならば、自分も含め、キャスト、スタッフ、お客様、皆にとって舞台、芸術はかけがえのないものだとあらためて知れたことです。これまでは意識していませんでしたが、自分の活動に自分以外の意味を見つけることができました。

皆とつながる手段、その場所となる舞台・芸術活動を、おこがましいですが提供できる立場にいられた自分の幸せ、これからも続けていきたいという強い思いに気づかされました。

今はただ、来年四月に予定されている延期公演が、コロナの影響なく無事に開催されることを祈っています。開催された折には、是非ともご覧いただきたく存じます。

点滅(B機関 主宰)/2020年10月22日

関連リンク

http://www.temmetsu.link/b-kikan/

資料提供

B機関

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