朗読×音楽 なかがわ・なかがわ 五周年記念公演
『るりときつね雨のおはなし』
公演団体
なかがわ・なかがわ
朗読原作
伊織夏生(salty rock)
脚色・宣伝美術
中川えりか(AND ENDLESS)
音楽
中川えりか(アカラ)
公演日程
2020年6月19日(金)~6月21日(日)
会場
UP-DRAFT
コメント
なかがわ・なかがわは、俳優・中川えりかと、ミュージシャン・中川えりか、同姓同名の2人が出逢ったところから始まったユニットです。それぞれの土壌でプロとして活動しながら、2人でやるときは自分の畑ではできないこと、お楽しみ要素なんかも入れ込んで、年1、2本のペースで公演を行ってきました。
今年で結成5年。初めて公演をした記念日の6月20日を含めた日程で、過去の人気作の、挑戦的なリバイバル上演を予定していました。
舞台で役者のことしか知らなかった私にとって、音楽の世界はとても新鮮で、ミュージシャンの方と共同で企画する、ということに、ただただ感動がありました。
が、回数を重ねるにつれ、単に音楽家を自分の土壌に引きずり込んだだけなのではないか、という思いが生まれていました。
そこにきて、今回の新型コロナによる感染症の蔓延。
たくさんの舞台や企画が中止・延期になったり、強い意思をもって上演されたりしています。なかがわ・なかがわも、6月公演の出演者との話し合いのなかで、「生」で体感していただくことに価値のある企画である、という意見をいただき、延期の決断をしました。
まだ公演の情報を出す前の、延期発表でした。
中止(延期)か、続行か。どちらが正しい、という話をしたいわけではありません。
今回の流行り病で、信念をもって動く、ということが求められていると感じています。
最初は同じ名前同士、なにかやりましょう!なんていうノリではじまり、 ゲスト出演者や会場さん、たくさんのお客さまのお力添えをいただいて続いてきたなかがわ・なかがわですが、ここからどう動くのか、どうしていきたいのか、正念場だなと思っています。
中川えりか(AND ENDLESS/なかがわ・なかがわ俳優)/2021年1月12日
「なかがわ・なかがわ」での上演作品のプロデュース・運営などすべて俳優の中川えりかさんによるもので、朗読×音楽に舞や殺陣を取り入れた演出をしたり、イラストレーターやカメラマン等、各ジャンルのアーティストとのコラボを実現させたりと、観客を迎え入れてから送り出すまでがひとつの作品となる、彼女の人間関係や感性が光る魅力的な世界が展開されていました。
わたし自身の活動としては、音楽イベント中心にコンサートやライブをやっていて、えりかさんと出会う少し前から演劇公演での生演奏、劇伴をやりはじめて、それまで縁のなかった演劇関係者の方々と関わるようになり、そのなかでの演劇人特有の「人と人との深いつながり方、結びつき方」がとても新鮮で、個人差はあると思いますが、私の周りのミュージシャンの間にはない、熱い人間関係を興味深く思っていました。
昨年はコロナの影響で、「なかがわ・なかがわ五周年記念公演」をはじめ、毎年恒例で開催していたコンサート等、出演予定されていたほとんどのイベントや公演が延期・中止となってしまいましたが、そのコロナ禍においても、いくつか生演奏のステージをやらせてもらえたのが、全て演劇作品においてだったので、この状況下でも、熱く濃い人間力が生み出した、演劇界のエネルギーが反映されたのだと感じていました。
ミュージシャンの場合は、音が曲として既に作品になっているので、生演奏でなくてもパッケージ化しやすいこともあり、多くのミュージシャンは、コロナ禍以後はライブは配信にしたり、動画をアップしたりと、生演奏の代用品として折り合いを付けて発信しており、舞台演劇作品も全くそれをやらない訳ではありませんが、リスクを抱えながらも生の舞台をやる必要が絶対にある、と信じてる方々が多いと実感しています。
この状況下で、どっちが良い悪いという訳ではないですが、生の舞台へのこだわりと情熱を持ちつつける演劇人に対して、それが如何に困難であるかと分かっているだけに、舞台で表現する者の一人としてあらためて敬意を感じずにはいられません。
なかがわ・なかがわの五周年記念公演は様々な理由から見合わせましたが、一日も早くコロナが収束して、またあの魅力的な世界を観客の皆さんと共有することを心から願っています。
中川えりか(アカラ/なかがわ・なかがわミュージシャン)/2021年1月12日
関連リンク
https://gawagawa.amebaownd.com/
資料提供
なかがわ・なかがわ