失われた公演

人形劇団クラルテ 第105回公演こどもの劇場
『11ぴきのねことあほうどり』

公演団体

人形劇団クラルテ

原作

馬場のぼる(こぐま社刊)

脚色

松本則子

演出

藤田光平

人形美術

永島梨枝子

チラシデザイン

馬場のぼる(こぐま社刊)

公演日程

2020年2月24日(月)

会場

堺市立西文化会館1階(ウェスティホール)

コメント

2020年5月末の自粛期間明けより、劇団も基本的には引き続き自粛仕様を続けるなか、必要最小限の人数と稽古日数にて少しずつ稼働し始めた。その時の劇団の議題の焦点は、7月頭より関西各地で予定している大型ホールによる自主公演を実施するか否か、というものであった。おそらく定員の半数以下でのイベント実施が認められるであろう、との予測はあるが、その対応は行政ごとに様々で、6月の上旬においても確定が出ず、どの会館のホームページを見ても、7、8月のイベント予定はクラルテのみ、という状態。なんとか実施が出来たとしても集客の予測がまったくつかない。万が一、公演にてクラスターが発生したら、劇団活動自体がたちまち危うくなる。 

その様な状態のなか私たちの出した結論は、『劇団』である以上公演を打つ、という事を常に前提とする、という事であった。7月初旬、どのホールもまだコロナ禍におけるイベント実施の準備は殆どなされておらず、希望団体に貸館はするが、職員の大半はまだ自宅待機、というホールもあった。よって目安となるコロナ禍様式、というものは一切無く、全て自分達で調べ、考え、準備、実践した。

世間に先んじてイベント実施が出来た事は、そのお客様の反応も含め、さながら荒れ地に一本の花を咲かせる事が出来た様な充足感があり、その後9月以降からポツポツと始まりだした近隣ホールによる自主事業のモデルケースとしても役立つ事が出来た事は、引き続きこのコロナ禍を生き抜いていかなければならない現状において、我々の自信、財産となっている。

情勢を鑑み、イベントを自粛するか否か、という判断は政府、行政、及び会館が都度考えていかなければならない。しかし、我々はどの様な情勢にあっても、その中においていかに上演を打っていけるかを逃げず、怯えず、且つ慎重に、今後も考えていきたい。

隅田芳郎(人形劇団クラルテ)/2020年12月5日

関連リンク

http://www.clarte-net.co.jp/

資料提供

人形劇団クラルテ

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